BOSS型枠の使い方

How to BOSS?

ここではBOSS型枠の使い方を、「計画書の作成と事前準備」、「コンクリートの充填」、「BOSS供試体の養生」、「BOSS供試体の割取り」、「BOSS供試体の取扱」と順を追って具体的に解説していきます。

計画書の作成と事前準備

工事関係者との打合せ

BOSS試験を実施するにあたり、本試験が円滑に行えるように発注者、設計監理者、現場管理者と試験計画について打合せを行い、また、試験方法についてコンクリート工事業者、型枠工事業者等に十分な説明を行い、協力が得られるようにする。

打合せ事項

①BOSS供試体の試験個所と試験数(採取本数)

■標準ロット数

対象構造物 ロット数(1検査あたり)
新設コンクリート 150㎥あたり1ロット

②BOSS型枠の取付け、取外し作業

■作業分担

せき板の開口部への穴あけ 例:型枠大工
せき板へのBOSS型枠の取付け 例:型枠大工または土工
BOSS型枠への充填性の確認 例:土工または型枠大工
BOSS型枠の取外し 例:土工または工事担当者
試験機関等へのBOSS供試体運搬 コンクリート試験業者または、運搬業者

■BOSS型枠取付け位置

採取位置は、コンクリートの打込み計画に基づいて決める。コンクリート打込みを垂直・水平(VH)分離工法により床から梁下まで1回で打ち込むときは、問題にはならないが、打込み方法を水平積層打ち(例えば、1回の打込み高さを30cm程度、あるいは階高の1/2等)や片押しで打ち込みをする場合は、BOSS型枠の取り付け位置がコンクリートの打継ぎ、打足し位置にならないように計画する。

③コンクリート打込み時の確認作業

④圧縮強度試験機関

BOSS型枠の部品構成

BOSS型枠は、直方形の型枠で、型枠上面には、コンクリートの充填性を確保するための空気抜き孔が、構造体コンクリートと接する面には、開口が設けられている。



BOSS型枠の組立て

BOSS型枠の組立てにおいて、特に圧縮強度に影響する両端面板の平行精度と端面板と側板との直角度については、規格値を十分満足するような矩尺(かねじゃく)または下に示すような専用の精度調整器を使用して組立てる。


項  目 精  度
BOSS型枠の内寸法と長さ 断面寸法の誤差:公称値の1/200以下
型枠長さの誤差:公称値の1/100
両端面板の平面度 断面寸法の0.05%以内、0.02mm以下
両端面と側面との直角度 90°±0.50°

透気性シート

BOSS型枠上面の内側には、透気性シートを貼る。

注意:透気性シートを貼らないと空気抜き孔から空気が抜けないで、BOSS供試体の上面に空気溜まり(あばた)が残るので注意する。


BOSS型枠への剥離剤塗布

BOSS型枠の組立て時に、型枠全体に塗装や剥離剤を塗布すると、BOSS型枠とコンクリートが付着しにくくなるため型枠の脱型が容易となる。また、BOSS供試体の割取り面の精度を確保するために、BOSS型枠の組立て時には、成形板及びスリット板の内部面・表面に必ずグリス等を塗布する。

せき板への開口準備

せき板への開口の穴あけは、型枠を建て込む前に行う。開口寸法は、使用するBOSS型枠の大きさにより異なる。

開口寸法
75角供試体 幅 208mm 高さ 110mm
100角供試体 幅 258mm 高さ 135mm
125角供試体 幅 308mm 高さ 165mm

開口の穴開けには、テンプレートを用いて罫書きを行うと容易に行うことができる。罫がいた線の2隅または4隅にドリルで孔をあけ、その後、ジグソーまたはのこぎりで罫書き線に沿って切断する。

注意

  1. 転用した合板や古い合板を、切れの悪いノコギリ等で開口部を穴あけすると、切り口にバリが生じることがあるので注意する。切りバリが残っているときは取り去る。
  2. 合板が反るっているもの、曲がっているものは使用しない。

構造体型枠(せき板)の建込み

  1. BOSS型枠の端面板と縦バタとの間隔は30mm以上離す。
      この間隔が30mm以上ないとBOSS型枠をせき板に固定するための止め金具のネジを回すことができない。
  2. BOSS型枠を取り付けた開口部の上下を補強する。BOSS型枠の両側の縦バタの間隔が大きくなるとコンクリートの打ち込みによって(側圧)せき板が撓むので注意する。

BOSS型枠の取付け

  1. BOSS型枠の端面板と縦バタとの間隔は30mm以上離す。
      この間隔が30mm以上ないとBOSS型枠をせき板に固定するための止め金具のネジを回すことができない。
  2. BOSS型枠を取り付けた開口部の上下を補強する。BOSS型枠の両側の縦バタの間隔が大きくなるとコンクリートの打ち込みによって(側圧)せき板が撓むので注意する。


せき板に止めジグを固定するときに、BOSS型枠を軽く手前に引いてから止めジグを回すと容易に固定することができる。

取付け後の確認

  1. 上下が逆になっていないかどうか
  2. 側面のパッキンとせき板に隙間が無いか
  3. 止め金具はしっかり付いているか
  4. スリット板のねじ穴はテープ等で塞がっているか
  5. BOSS型枠のボルト・ねじは、しっかり締められているか

コンクリートの充填

打込時には、BOSS型枠のところで「打ち継ぎ・コールドジョイント」が発生しないよう、打込計画をお願いします。

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BOSS型枠付近にコンクリートが打ち込まれたら、BOSS型枠の周りを良く締め固めをし、BOSS型枠上部にある「空気抜き孔」から、モルタルがあふれ出すのを確認してから、BOSS型枠の前面を軽く木づちで2~3回叩いて下さい。


注:この際、あまり強く叩きますと、BOSS型枠が変形し、BOSS供試体 そのものも変形してしまいますので、注意してください。

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注:せき板を脱型する前に、BOSS型枠の止めジグが元の位置に戻っていることを確認する。止めジグを元に戻さないで、せき板を脱型するとBOSS型枠の端面板が変形し、使用できなくなるので注意する。

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コンクリート打継ぎ部にBOSS型枠が取けられているとBOSS型枠内に十分充填されないことがあるので注意する。この場合、次のコンクリートが打ち込まれたときに、せき板とBOSS型枠を軽く叩き、コンクリートの流動性を図る。

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分離したコンクリートを打ち込んだり、コンクリート打込み中に雨が降ったり、底盤に漏水が溜まっているときは、モルタルのノロがコンクリートとともに上昇し、透気性シートが目詰まりを起こして上層部にノロが堆積する。

BOSS供試体の養生

所要のせき板存置期間後、BOSS型枠を構造体コンクリートに取り付けたまま、せき板のみを脱型して下さい。通常BOSS型枠は所要の試験材齢まで構造体に取り付け、試験前に構造体コンクリートから割取って下さい。

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コンクリート打込み後、外気温度が5℃以下になる場合には、BOSS型枠を保温性のある断熱材等で覆い養生する。
(当グループでは、専用の養生ケースがあります)

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養生期間中、BOSS型枠を脱型するとBOSS供試体が気乾養生状態になり強度発現に支障をきたす恐れがあるので、脱型する場合は乾燥しないよう十分注意して下さい。

BOSS供試体の割取り

せき板の存置期間後、構造体型枠のみを脱型する。構造体型枠の脱型は、型枠を手前に引くとBOSS型枠を構造体に残したまま脱型することができる。

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BOSS供試体は、所要の試験材齢に達したとき構造体コンクリートの表面から割り取ってください。

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割取りは、BOSS型枠上部のネジ孔の目止め材を外し、ネジ孔のボルトを差し込み、レンチまたはラチェット等で回して下さい。ボルトを回すことにより構造体コンクリートとBOSS型枠との間にあるスリット材がネジの反力で持ち上がり、構造体コンクリートからBOSS型枠を割取りすることができます。ボルトの径は12mm.です。

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ボルトは交互に均等な力で回してください。均等に回すことでBOSS供試体の割取り面が比較的平滑な状態で割りとることが出来ます。

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BOSS型枠の割取り後の構造体には、スリット板の厚み(⒍mm.)程度の凹凸ができます。構造体には影響を与えませんが、補修するときには、管理者の承認を得てして下さい。補修材としては、補修用モルタルまたは無収縮モルタル等を使用ください。

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成形板に塗装または剥離剤が塗っていないと、割取る際に、成形板にコンクリートが付着して成形板が変形する場合がありますので注意して下さい。成形板は、基本的には1回ごとの消耗部材です。

BOSS供試体の取扱

構造体コンクリートからBOSS供試体を割りとった後、通常はBOSS型枠を脱型しないで、圧縮強度試験までBOSS型枠の割取り面部分のコンクリートが乾燥しないよう養生してください。

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所要の試験材齢日前に構造体コンクリートからBOSS供試体を割取り、BOSS型枠からBOSS供試体を脱型したときには、BOSS供試体が乾燥しないよう上記と同じに養生を行ってください。

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所要の試験材齢日前に構造体コンクリートからBOSS供試体を割取り、BOSS型枠からBOSS供試体を脱型したときには、BOSS供試体が乾燥しないよう上記と同じに養生を行ってください。



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